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ボトックス注射の注意点

ボトックス注射とは

最新の美容医療では、ボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)の注入により、表情のしわを軽減したり、筋肉を緩和したり、多汗症を抑制したりすることが可能です。
こうした治療を総称して、「ボトックス注射」と呼ぶことが一般的です。ただし、「ボトックス」は米国のアラガン社の商標であり、実際にはボツリヌストキシンのうちの一種に過ぎませんが、この製品が非常にポピュラーで知名度も高いため、ボツリヌストキシンを使用した注射治療全般を「ボトックス注射」と称することが一般化しています。
当院でも、アラガン社の「ボトックス」と韓国製の「レジェノックス」の2種類の製品を取り扱っていますが、説明や表記の際には、分かりやすさのために「ボトックス注射」という表現を用いることがあります。

ボトックスと他の薬剤はどう違うのか

ボツリヌストキシン製剤は世界中でいろいろなメーカーから販売されており、世界各国で使用されているのですが、実際にアラガン社のボトックスと、そのほかメーカーのボツリヌストキシンとでは、効果や安全性などにはどの程度違いがあるのでしょうか。
結論から言えば、ボトックスと他の薬剤は効果の程度や持続期間といった面で大きな違いはなく、どの薬剤を選んでも基本的には同様の効果を得る事ができます。
最大の違いは、アラガンのボトックスだけは日本の厚生労働省の承認を得ているという点です。
日本の厚生労働省での厳しい審査のうえで、日本での承認が得られているという点から、特に日本人にとって高い安全性が確保されている事がはっきりしているといえます。
ただし、他の製剤では安全性が確立していないというわけではなく、その他の製剤もアメリカや韓国での厚生労働省にあたる機関での認可を受けており、十分な効果や安全性が担保されています。

ボトックスと他の薬剤のどちらを選ぶべきか

ボトックスと他の薬剤を取り扱っていると、「どちらを選んだ方がいいか?」というご質問をいただく事が多いのですが、基本的には患者さんの好みで選んでいただいて問題ありません。
実際に得られる効果としては、ボトックスでも韓国製のボツリヌストキシンでも、大きな差があるものではありませんので、より安全性が高く安心なものを選びたい方はアラガン社のボトックスを選択いただければ良いですし、なるべく価格をおさえて治療を受けたいという方は韓国製のボツリヌストキシンでも良いかと思います。
医師と相談のうえで自分に合う最適な薬剤を選択していきましょう。

ボトックス注射でよくいただく不安なことや、副作用や失敗はないのかというお問い合わせもいただきますので、今回まとめて解説していきます。

・ボトックスの薬剤自体の心配

ボトックス注射はボツリヌストキシンという毒素を原料としている薬品であり、その副作用が気になるという方は多いのではないでしょうか。
ボトックスは数十年前から現在にいたるまで、世界中で利用されている薬剤ですが、薬剤そのものの大きな副作用(例えばボトックスのせいで何か病気になるとか、アレルギーを起こしやすいといったトラブル)というものは報告されておらず、非常に安全性の高い治療であるという事ができます。
特にアラガン社のボトックスは品質管理も徹底されているため、薬剤そのものによるトラブルというものはまず考えなくて良いでしょう。

・ボトックスが効きすぎて表情が不自然になる

ボトックス注射は表情筋の動きを抑える事でシワを改善しますが、ターゲットと違う表情筋に効いてしまったり、注入量が多く筋肉の動きを制限しすぎたりしてしまうと、表情が不自然になってしまう可能性があります。
例えば、もともと瞼のたるみが強い人で、額のシワを改善させるために額の筋肉を抑えた結果として、目が明けにくい・目つきが悪く見えるなどの副作用が出ることがあります。
一見簡単そうに見えるボトックス注射ですが、注入する医師の実力で結果が大きく変わります。
ボトックス注射を行う際は症例件数が豊富で適切な治療が行える医師の治療を受ける事が大切です。

・ボトックスが効きすぎた場合はどうなるのか

ボトックスが効きすぎた場合に、すぐに解消する薬などは存在しません。
しかし時間の経過とともにボトックスの効果は必ずなくなります。
改善させるには時間を待っていただくより他ありませんが、必ず効果のなくなる安全な治療とも言えます。
ボトックスは効かせすぎない、効きが弱い場合には追加注入(リタッチ)を行うのが一番安全で満足度が高いです。
当院のボトックス注射は、2週間の無料追加注入期間を設けていますので、大手美容外科にはない、安かろう悪かろうではない、きめ細やかな治療を約束します。

・ボトックスでたるんでしまう

ボトックスで弛むのではないかというご質問もよくいただきます。
特に注意すべきなのが、40代以降でもともとエラの筋肉が発達されていた方のエラのボトックスです。
今まで筋肉のボリュームで皮膚がピンと張っていた状態から、急にボトックスで筋肉が痩せていくことで、残った皮膚のたるみが気になる場合があります。
ボトックスの打つ量や部位に気を付けるとともに、そのほかのたるみ対策の治療(糸リフトやポテンツァなど)を併用することがおススメの場合もあります。

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