ニキビ・ニキビ跡

繰り返すニキビ・重症ニキビの最終兵器 イソトロイン

・イソトロインとは

イソトロインとは、「イソトレチノイン」と言う薬品で、ニキビの治療のための飲み薬です。
イソトレチノインは、「アキュテイン」という製品名で登場し、その後アキュテインの後発医薬品として「ロアキュテイン」、「イソトロイン」、「ソトレット」、「クララビス」などが発売されてます。
中等度~重度のニキビに対して、欧州や米国の治療ガイドラインでは高いレベルで推奨されており、全世界で30年以上前から使用されています。

・なぜ日本では知られていないの?

ニキビ治療薬として非常に効果の高いイソトレチノインですが、日本ではまだ馴染みのない薬となっています。
それは日本では厚生労働省による認可が出ておらず、保険適応の皮膚科さんで処方されることがないからです。
イソトレチノインが日本で未認可なのは、ニキビは身体的に不調をきたす病気ではないことから、「疾病の治療目的」というよりは「美容目的」と解されるためです。
特にイソトレチノインのような催奇形性等の重篤な副作用がある薬は、認可されにくくなっていることがその理由です。
そのため日本では美容外科・美容皮膚科などで自由診療の治療薬として処方されています。

【イソトロインの作用機序】

イソトレチノインには、通常の皮膚科で処方されるようなアクネ菌を殺菌する作用がある抗生物質や、性ホルモン、ステロイドなどの成分は含まれておらず、別の作用機序で効果を発揮します。
ニキビがなぜ生じるのかというと

①皮脂腺の活動が活発になりすぎること
②毛穴近くの皮膚が異常に角化することで毛穴が詰まること
③そこにニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖すること

この流れでニキビは発生します。

イソトレチノインの作用機序には、主に以下の2つが知られています。

・皮脂線を退縮

経口イソトレチノインには、直接的な抗菌作用はありませんが、皮脂腺を退縮させ、皮脂分泌を大きく減らす作用があります。
この作用により、ニキビの前段である微小面皰の発生を防いだり、ニキビの原因菌であるアクネ菌が定着できなくなることで、アクネ菌の数を減らすこともできます。
イソトレチノインは皮脂腺のアポトーシスを促すため、内服治療後もある程度は皮脂量の減少効果を認めます。

・ 細胞を正常化

イソトレチノインは、細胞に働きかけて、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります 。
ニキビの発生原因としては、皮脂腺の活動が活発になりすぎること、そして毛穴近くの皮膚が異常に角化することで毛穴が詰まること、そこにニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖することです。
皮膚の細胞が正常に働くようになると、異常な角化(皮膚が厚くなり、毛穴がつまる)が起こりにくくなり、毛穴がつまらなくなればニキビの炎症が起こらなくなります。

【イソトロインの治療】

治療開始後1ヶ月間は、およそ20~30%の患者に一過性のニキビの増悪(好転反応)がみられることもありますが、平均して2ヶ月間~3ヶ月間でニキビが改善していきます。
ニキビが改善してからも、再発を防ぐために治療を継続する必要があります。
状態にあわせて適宜増減を行いますので、定期的な医師の診察が必要になります。
ニキビが落ち着いたからと急に内服をやめてしまうと悪化する可能性が高いですので、医師の指示に従ってください。
皮膚の状態や副作用の有無を診察して、ニキビの改善が乏しい場合には増量していきます。使用量の目安としては、中程度のニキビの方で1日20mgからスタート、重度の方であれば30~40mg程を処方する場合もあります。
経験の乏しい美容クリニックの処方では、適切な用量と用法が守られておらず、副作用も適切に管理されていない問題があり、イソトレチノインを使用しても改善率が高くないケースが多々あります。
当院ではイソトレチノインの治療を熟知した医師が、状態に合わせて適切に処方していきます。

【治療期間】

治療期間は、1クール=4~6ヶ月間行いますが、個々の状態で変動します。ニキビの治りが悪い場合には延長することもあります。
1クールの治療終了後は一定の休薬期間を取ります。ニキビの再発が軽度であれば、治療は終了です。
気になるほどの再発がある場合は、再度受診していただき2クール目の治療を行うかどうかを検討します。
皮脂腺の退縮効果もあるため、ニキビが再発したとしても、以前よりもできにくい状態になることがほとんどです。治療を重ねることで、ニキビが気にならない状態までもっていくことが可能です。

【副作用】

イソトレチノインには、様々な副作用やリスクがあることも事実です。副作用やリスクの説明をしっかり行い、定期的な医療機関での副作用チェックは不可欠です。
イソトレチノインの副作用として代表的なものは、皮膚、口、鼻、眼の粘膜の乾燥です。程度はひどいものではありませんが、少しの乾燥感など含めれば、この副作用はほぼ100%の患者さんに起こります。
乾燥によって皮膚炎、口角炎、口唇炎、鼻出血、ドライアイなどが起こる可能性があります。
また催奇形性といって、妊娠中の女性が服用すると子供に影響を及ぼすことが分かっています。
ですので内服中および終了後1か月間は必ず避妊をおねがいしております。

副作用もありますが、しっかりと理解して使えば非常に効果の高い薬です。
繰り返すニキビ、重症ニキビは、治療経験が経験豊富なM BEAUTY CLINICにご相談ください。